7月10日の「試作ワールドサミット」ですが、無事終了し京都グルメタクシーとしても京都府文化観光大使としても参加できたこと、本当に関係者様には感謝しております。タクシードライバーの枠をこえての活動。大きなスキルにもなりましたし、「食」というテーマで1時間30分にわたり3人でご案内できたこと嬉しく思います。
「京都試作ネット」の詳しくは上記のサイトで!
その時、第二パートを担当したのが上記の3名で、Bugmoの共同創業者西本楓さん、そして竹茂楼の副社長の佐竹洋吉さんと私です。佐竹さんとは少し前にお店にうかがった時にお会いした事がありますが、西本さんとはこの会場がはじめてでした。
今回のテーマとなる「昆虫食」なのですが、SDGsも含めた話となり持続可能な開発目標として、昆虫食も未来の食としてかかわっているのではないかという流れから話ははじまりました。共進電機社長の小島さんが司会担当となり最初は自己紹介からはじまりました。前回竹茂楼さんのことはお店紹介のときに掲載しましたので、今回は西本さんのこと、すこし書かせてもらいますね。
https://archette.exblog.jp/28715629/ ★竹茂楼情報はこちら!
西本楓(にしもとふう)さん
BugMo 共同創業者でもうお一方は松居佑典さんと御二人で会社を営んでおられます。食用昆虫の養殖システムの開発 昆虫由来の食品その他の開発・製造・販売をなさっています。
●クラウドファンディングも達成されています。
「昆虫食をゲテモノとして捉えるのではなく、その先に見る景色が近いことが創業のきっかけ」と振株式会社BugMoを立ち上げ、クラウドファンディングを行い、目標額の約150万円を達成されました。
誰もが等しく美味しく栄養のある食を作れ、食べられる世界を。
誰もが自分の体も、心も、人生も満たすことができる世界を。
世界の依存や搾取、栄養問題を解決するために、昆虫を食材の選択肢の一つにしてもらいたい
との目標を掲げておられます。
〇西本さんの経歴について////////////////////////////////////////////////////
神戸大学で西本さんは大学1年生の夏、ウガンダに1ヶ月のホームステイ。小学校を訪問し、子どもたちが食べる給食の質素さに驚かれたそうです。医療を簡単に受けられない同国では食で健康な体を作ることが大切。小学校で食育を教え、給食メニューを改善すべきと考えられました。
半年後、再びウガンダに戻り、同じ小学校の給食の職員として働かれたそうです。食育指導と給食のメニュー改善を行ったものの、実情含め壁にぶつかり、栄養バランスの良い食事の大切さを説明しても、経済的に実行に移すことが難しいことを痛感されました。
「途上国でも子どもたちに足りない栄養やたんぱく質を補える食の仕組みないか」と考えられ、昆虫が好きだった西本さんはコオロギの可能性に注目されということでした。
松居さんについて
ちなみに共同経営者の松居さんも凄い方で、大学四年のときに食生活で体調を崩され「身体が元気でなければ」ということでニュージーランドの大学で環境科学を学ばれ帰国。その後カンボジアでアクシデントがあり、住民に助けられそのときの高価なアリを食べさせてもらったことが転機となり「昆虫を食べる文化」について興味をもたれました。その後京都の自宅で昆虫を育てて昆虫食を友達にも提案されていました。このあと西本さんの共同経営者となったそうです。
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ちなみに社名「BugMo」は、「昆虫(Bug)も選択肢の一つに」「Bug Movement」の意味。
現在、神戸市に食用コオロギを養殖するパイロットファームをもち、国内での製造をなさっています。現在パイロットファームでは3万匹のコオロギを養殖しているのだそうです。サステナブル・ジャパン」さんのサイトにはまだ下記のこともかかれました。
将来的に「アフリカのマーケット」に進出したいとのことで、まずは日本での需要をしっかり作る必要があると考えられています。気軽に一般の人でも食べられるような商品作りをしたいし、提携農場や科学者、シェフなどと協力して皆さんと輪をつくっていきたいとのことです。
最終的にこのトークショーでも話題にでたのは「おいしく」という部分ですね。それと食糧問題を解決する手段として昆虫食をひろめたいとの熱意を方っておられました。
ちなみにコオロギ食について
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●コオロギの旨みと栄養は、人類の遺伝子に刻まれた根源的な心地よい欲求。雑食性のため地域の未利用資源を活用、人にも環境にも魅力的なコオロギは未来につながる食材という理由で採用されました。
江戸時代 人々は昆虫の甘みを楽しみ、小エビのようだと表現、豆腐百珍というグルメ本がベストセラーになるほど、料理の創意工夫に興じる…一刻一刻の“感性”を楽しむ精神性の江戸時代に、昆虫は私たちの“感性”に訴えかける、豊かな食として楽しまれてきました。
哺乳類が初めて登場してから5千万年前まで、哺乳類が生きてきた全期間の4分の3に当たる1億5千万年の間、祖先は主に昆虫を食べてきた。遺伝子は時間をかけて少しずつ進化するため、これだけ長い間、昆虫食に適応していれば、私たちの遺伝的遺産に大きく影響したと考えられる。——S・ボイド・イートン他
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トークショーの間、さまざまな内容の意見が交わされましたが、やはり佐竹さんと私はまったく別の世界にいるといいましょうか、西本さんのお話にうなずきながら聞いていましたね。それぐらい「昆虫食」という題目が私にとってはレアであり世間においてもまだ十分知られてないことも事実ですね。ただ無印でもすでにコオロギスナックは発売されていて、大手もその手応えを感じておられることは確かです。
さてさて♪
こおろぎはそもそも・・・・おいしいのか?(^^)
そこで「おいしく」というテーマが私の存在もあり、副題のようになっていたのですが、コオロギ出汁というアイテムを西本さんはご用意いただき当日スタジオでお披露目となりました。ちょっとそのコオロギ出汁についてご紹介いたします。
▼「こおろぎだし」 繊細な旨味と心地良い雑味を持ったこおろぎから、素材の味を引き出す。色々な料理のおだしとしてスープや炒め物などに。
〔化学調味料・保存料無添加|8㌘パック・15袋入〕
原材料名:乾燥野菜(玉ねぎ(国産)、キャベツ、にんにく)、食用こおろぎ粉、昆布|内容量:120g(8g×15包)|賞味期限:製造から10ヶ月コオロギの豊富な栄養価(BCAA・必須アミノ酸9種・B12・鉄分・食物繊維・オメガ3など)に着目し、自立した食の生産システムを目指すプロジェクト。商品化予定の「コオロギ由来のプロテインバー」を試食頂きながら、途上国との間の搾取構造から解放された、世界中の誰も傷つけない食の未来。(公式サイトより引用)
で、実はこのとき司会の小島さんがスタジオのスタッフはコロナ対策で最小限度の人数でおられたのですが、おいしい?おいしくない?を挙手にて判断していただいたのですが、80%がおいしい、ということで概ねOKということになりました。
今回は「コオロギそのもので素材100%」ということではないので、このコオロギ本体だけの味については後ほど西本さんに聞いてみたいと思います。
私の感想としては「野菜のうまみとほのかな香ばしい感じのフレイバー」。たしかになんとなく甲殻類でもない味は感じられましたね。そう、もしかして未知の味なのかも。過去に蜂の子はいただいたことはありましたが、粉末はやはり食べやすいしこれなら躊躇なく食べられるかも。それと西本さんは「塩」も用意してもらったのですが、これを加えるとほぼ市販の野菜スープに近くなります。つまりさらに飲みやすいということ。フランス料理だと「コオロギ・ポトフ」ならほぼイメージ通りのおいしさになるものと私は思います。
ちなみにこおろぎの栄養価と
どうしてコオロギなのかということ。
コオロギの豊富な栄養価(BCAA・必須アミノ酸9種・B12・鉄分・食物繊維・オメガ3など。。。
※BACCとは バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸の総称。 ヒトが体内で作ることが出来ない必須アミノ酸。
※オメガ3とは 植物由来のαリノレン酸、魚介由来のDHA、EPAの3つの成分。
雑食で育てやすいことがコオロギに着目する理由でもありますが、さらに上記のように栄養価としての価値があるのなら願ったり叶ったりですね。どこかのテレビ番組での宇宙旅行のドキュメントで、食料を自給するとき昆虫を育てて食べるのがもっとも効率的でかつ栄養を蓄えられると研究家が述べていたことを思い出しました。
他方、こんな記事もあります。
「2050年の食料問題」 世界が90億人を食べさせることができるのか。
↑上記のヤフーの記事より引用しております。
>>>実は近い将来、世界中で慢性的な食料不足が起こることが危惧されている。2017年に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」によると、毎年約8300万人の人口増により、現在76億人の世界人口は、2030年までに86億人、2050年に98億人、そして2100年には112億人に達すると予測されている。2012年にFAO(国際連合食糧農業機関)は、2050年までに60%も食料生産を増やす必要があるとの推定を発表していたが、2017年の新たな国連の予測に基づき、2012年水準よりも50%多く食料・飼料・バイオ燃料を増産する必要があると推計する。
これはなかなか受け入れがたい状況です。たしかに中国も少子化政策を緩和するとのことで、他の国でも間違いなく世界的な人口増加はおこるものと思います。注目すべきは、この記事の赤池さんは現実的なことも述べておられますね。
>>>「昆虫食も、そのまま私たちが食べるのではなく、次世代型の養殖業の飼料として、広がっていくと考えられます。つまり、人が食べるのではなく魚や鶏などの飼料としての昆虫の活用がはじまり、間接的な昆虫食がはじまるということです。」
これはありえますね。人が口にしなくても養殖業の飼料としてならかなり間接的なので、いち早く導入しても概ね問題なさそうです。こういう感じで多くの方が昆虫食と食糧難の流れも徐々に同調している過渡期にさしかかっているのかもしれません。
実は明日のラジオは「昆虫食特集」なんです。
もうすこし深ほりするために、明日(8/18)のKBSラジオさんの「チキチキ遠藤波乗りジョニー」さんで私は12時から出演しますが、今回のこの「コオロギ・昆虫食」についてを詳しくご紹介する予定です。チキチキジョニー(松竹)の御二人とアナウンサーの岩井さんに試食していただく企みを。。承諾頂いてます(笑)
「チキチキ遠藤nami乗りジョニー」 KBS京都 FM AM
10:00より放送 12:00頃より20分前後出演いたします。radikoでしたら、京都市周辺、大阪、滋賀、兵庫等ごく一部でお聞き頂けます。有料でしたら全国で聞けます。上記サイトで「ポッドキャスト」として後日フリーで聞けるときがあります。そのとき試食するのが下記のお店のコオロギのお菓子です。
灯螂舎(とうろうしゃ)について
(西本さんのコオロギの素材を使用されています)
灯螂舎は2021年6月にオープンした焼菓子と蟲雑貨を取り扱うお店です。蟲にまつわるグッズや博物雑貨のほか、高品質の食用昆虫(主にコオロギパウダー)を原料に使用したオリジナル焼菓子、また国内外の昆虫食、植物、生物系の作家作品などを展示・販売いたします。※上記は公式サイト抜粋
https://tourousha.jp/
「虫好きから古いもの好きまで、とにかく「刺さる人には刺さる」空間をめざしています。」
なるほど、刺さる人には刺さる、ということですね。なかなか鋭い表現です♪お問合せは是非公式サイトへ。こちらのお店は実は「昆虫を思わせないように制作」されているそうで、総じて昆虫の苦手な方にも場合によっては大丈夫なかたもおられるものと思いますし、なんと昆虫素材を差し引いて通常のお菓子としても対応できるとのことです。押しつけっぽくないところがまたいいですね。
ちなみにこちらのコオロギの原材料を最初にお話しした西本さんの会社のものを使用されています。上記のサイトから通販と現地で販売されています。現在はイートインはなさっていません。
ご覧の通り、取り寄せましたが、何ら言われなくて、だされても昆虫食とは思えないです。
〇最後に
「昆虫食」というのはグルメタクシーとしてはまだご紹介できるお店が京都にはないのですが、
サステナブル(SDGs)という取り組みとして是非推進していきたいし、将来的に「持続可能な食の世界」ということで広く皆様にも知っていただきたいと思っています。
そうそう、トークショーでの昆虫食と老舗料亭とのつながりですが、竹茂楼の佐竹副社長は、コオロギの「薬膳」「薬用」の効用について詳しく西本さんに聞いておられましたね。
当然「栄養」の面で優位性がありますが、いまわかっていることは「利尿作用」は可能性があるとおっしゃってました。まだこれからの領域なのでもっと活用できそうな素材として発見があるのかもしれませんね。
まずは食料難の可能性のある2050年の対策とはなにか日本はもちろん、世界がかんがえなければならないし、昆虫食の選択も普通に受け入れられるような社会が生じれば明るいかとおもいますし、皆さんも「おいしい昆虫食」を期待している人はおられると思います。
8月10日の京都新聞の「変わる食卓 フードテック」というコラムでは「昆虫食」がかかれていました。まずはコオロギのおつまみからということで、姿が見えないように販売することがベストと提唱されていました。京都新聞は私も御世話になっていますが、実態の不明な食や、妙な営利目的の記事はみたことがありません。その点「昆虫食」が紙面の1/4を使って、紹介すると言うことですから、人一倍食に興味ある「和食大国」の京都の多くの方が見る新聞に掲載されたことは昆虫食がもうすでに認められているということだと思います。
これからも「昆虫食」皆さんも、注目していきましょう!
まずはその昆虫食の世界に触れてみましょう♪
灯螂舎の真ん中の字が「かまきり」です。