和ごころ 泉 (わごころ いずみ)
075-351-3917
京都府京都市下京区烏丸仏光寺東入ル一筋目南入ル匂天神町634-3
12:00~14:30(L.O13:00)
18:00~21:30(L.O19:30)
定休日月曜日
2016年2月20日開店
もと桜田さんの跡地。そのお弟子さんが継承されました。移転されてからしばらくになりますが、新町時代とは比べものにならないぐらい重厚な建物ですね。泉さんは師匠からこの場所での提案を当初はすぐには受けられなかったそうです。桜田という大きな看板と店主の存在は格別なものがあったのでしょうね。泉さんならきっとうまくいくと私の常連さんで桜田さんのファンはそうおっしゃってました。同業からも歓迎されての聖地での出発。今夜は堪能させていただきます♪
仏光寺通りからはこちらの路地を入ります。
本日は夜の17250円税込みのコースをいただきます。
新町以来の女将さんと再会。お元気にされていました。全店舗は店主以外に女将さんとスタッフで3人での切り盛り。こちらでは調理場5人、ホールが女将さんふくめ見た限りでは2人で計7人と倍になっています。カウンターは5人程度、個室は3つ、ひとつは不思議な二人席(ここが好きというお客様もいるそうです)もありました。
本日は京阪できましたので一杯いただきます。
●先付け
かぶとの器(五月)
あいこ(山形山菜)
くみあげ湯葉
雲丹の煮こごり酢がけ
ばっちり、旬を表現。味にも器や飾りにも。お酢が効いていて目覚めの一品。
実は泉さんの料理はしっかり量があるということを思い出しました。ちょい盛り好きなお店が昨今多いですが、ここは満足感を量からも感じ取れます。
器もこちらの魅力。
●椀物
よもぎしんじょ 鱧
じゅんさい(滋賀土山)
一口目にまず出汁をいただきました。ちょうどいい塩梅。鱧の身も火入れられた直後のやわらかさと共に、よもぎの風味といただきます。
●お造り
かぶと鉢(かぶとをひっくり返した様子から)
淡路 鯛
兵庫 もんご烏賊 →ゲランド塩
和歌山 金目鯛
勝浦 鮪
山葵の下は「莫大(ばくだい)」(海藻のゼリーよせ)
新鮮そのもの。つけるものに少々詳細が♪
左が良質の醤油を鰹で炊いたもの
右がフランス産 ゲランドの塩
欧州の調味料がでてきましたね♪
包丁さばき、より大根でしょうか。これも美しい切れ方。
これから八寸ですが、趣ある器がでてきました。
コロナよ、退散、皆さんと、羽ばたこう!にみえます♪
こちらはちまきを入れる器。これも最良なものを用意されます。
5月 花菖蒲の器
●八寸
鯖寿司 ガリ(大型)
ちまき 鯛寿司
鴨和風仕立て
鰻の八幡巻き (最初にたべてくださいと♪)
卵焼き
そら豆
蛸の柔らか煮
鯛の子
守口大根(大阪)三種の胡麻和え
鮨飯がふんわり。酢〆も見事。
鴨ロースは和の調理法ですが、西洋にまけないうまみのとじこめ。
ひとつひとつが極めて丁寧。
牛蒡がいい仕事しています。
昆布〆しっかり。笹の風味がうつっています。
ちなみに、鯖寿司のよこにガリが塊でありました。これがまた美味しい。付け加えて♪総じて王道の八寸でした。とにかく教科書通りの流れで圧巻でしたね。常温のもの、冷たいもの、温かいもの。すべてが理想的な状態でしたね♪
たで酢。いよいよ鮎♪
●焼き魚 鮎の塩焼き
名物の鮎を是非!と新町時代にいわれたっきり。そしてまさか本日堪能できるとは♪二匹もいます♪1時間焼き続けて、表裏。というのを聞いてびっくり。そう、普通なら焦げるか旨味がとんでしまうのかと思いました。
たべてみて、ある意味低温で焼き続けるのでしょうね。鮎の身からでた旨味は皮をつたってまた身にもどるということ。つまり白身はやや減りますが、その分残った身に皮目からも含まれたうまみが充満するということですね。なんとなく味のニュアンスとしては「山奥で川魚を極限までに上品に焼きあげた」というのが相当かもしれません。懐石料理店で食べるのですが、味は山中で串差しして魚からしたたるうまみを照り焼きに。。。という感じかもしれませんね。贅沢、贅沢。
※子持ち鮎のときは1時間半やかれるそうです。
焼き鮎 塩焼き というけれど まったく別物♪
百聞は一見にしかずです(^^)
ちなみに250年前の器。古丹波と呼ばれています。
実は2匹もいます♪
かわいい(^^)
もちろんまるかぶりできます。ひれも顔もほどよい塩気。ご馳走様でした!
●冷やしもの
鳥羽のアダコ産 牡蠣(サミットでも出された銘柄)
※農林水産大臣賞をとったらしい牡蠣
堀田さんのトマトと
グリーンアスパラ
すでに3つにきられていて食べやすい。クリーミーではごたえが良好。新鮮ですね。野菜もこの皿の引き立て役、しっかり設定されてます。
●炊き合わせ
賀茂茄子 泡麩 白味噌餡かけ
万願寺唐辛子 山椒
ふわふわの餡かけ♪季節の野菜と共に含ませながら頂く幸せ。これはここでしかいただけないものでしょうね。この暖かな一品が一つ前の冷たい料理をさらに際立たせるように思いました。
香の物。そして御飯ものに移行します。
これは!!谷中(やなか)飯!
新生姜が千切りになって入っています。東京の谷中由来の炊き込み御飯。その場所が生姜の産地だったらしく。。。食べきれないほどあります(^^)
谷中飯に海苔をかける♪
●甘味
黒ごまのババロア
宮崎県 マンゴー
山形県 さとう錦
ジュレ
手造り白玉、わらび餅
ご馳走様でした♪文句なしですね。もっとも感心したのは「おなかいっぱい」というところ。最近「腹八」の懐石店などがふえてきて、会食後二軒目にいってしまったりしますが、この日は何も食べずぐっすり帰宅後寝てしまいました(^^)
和泉さんの料理はいつものとおり。評判通りの味で京料理の王道、桜田さんの流れをくむ料理です。そしてさらに泉さん独自のテイストも加わり、今日の人気につながっているのだろうと思いました。人柄しっかり反映されていますね。新町ではやはりマンション階下なのでしつらえに若干気になるところがあったのですが、それを難なくカバーできる師匠からゆずられた空間。まちがいなくこの場所に存在すべき味だと思いました。奥様のおもてなし、聞き上手でついつい長話になったりと、料理をもりあげてくれるサービスでスタッフと楽しそうに役割を真っ当されています。
京都に来たなら是非こちらを。間違いなく心に響く料理です♪