レーヌ デ プレ (Reine des pres)
075-223-2337
完全予約制京都府京都市上京区中町通丸太町下ル駒之町537-1
11:30~13:30(L.O)
18:00~20:00(L.O)
定休日水曜日
AMEX、JCB、Diners、VISA、Master
2012年11月26日OPEN
昨年訪問して春になりました。丁度半年後ということですね。しかもコロナの影響で4月初旬でとめていた食べ歩きを再開。2ヵ月ぐらいの間休業していてほんと一人で伺うのは久々ということになります。このレーヌデプレは多くのお客様にご紹介していますし、実績はかなりのもの。どなたをご紹介しようとも評価は高く安定しております。

この日はもうひと組2人連れがいましたが、ソーシャルディスタンス、4Mぐらいの間はありました。



白基調の店内。いつもの落ち着いた雰囲気がいいですね。料理に集中できる空間作りは開店当初からありました。

実は秋にこのお店をご利用されたい方がおられまして、ワインリストを私。。下戸なのに見せて頂きました。実は飲めないのであまり重要視していなかったのですが、これからはそういうこともなく、たしか某「青いけ」さんで結構ワインを飲んでしまったこともあり、徐々に興味がでてきているわけです。
新しいお店のサイトにも動画が掲載されていてそのなかで登場されるのが支配人。レーヌデプレはお一人で給仕されています。ワインは支配人が担当されていますが、時にはシェフの意見も参考にする柔軟型。とにかく堂々とサービスされて定評あります。ちょっとこのお店の状況をご紹介します。
リストに掲載されているのは シャンパン13 白32 赤22 ボルドー18 などでまだ掲載されてないものも当然あります。グラスワインは白3 赤3は常時あるそうで、ボトルにおいてはほぼフランス産。グラスは国産、フランス以外のものもあるそうです。ビール、ノンアル、ソフトドリンクももちろんあります。日本茶はある意味緊急用にはあるようですが、正式には扱ってないとのこと。またそのあたりはご確認ください。
今回は10000円(税サ込)のコースでお願いいたしました。

「エルダーフラワーのカクテル」 ノンアルコールドリンクです。発砲系で食欲でますね♪

●アミューズ ウエルカムスープ
「うすいの旨味」
うすい豆のスープ (冷製)
抹茶のようにおめしあがりください♪と、支配人。豆の爽快な風味と水分が和みます。うすい豆と水分、だけのように思いますが、念のため聞くと生クリーム、鰹だし、そしてこれは意外でしたが、人気ラーメン店も使っているマグロ節も使っていて味噌も少し入っているようです。材料は複雑なのに食べた印象はシンプル。実はこれもシェフのマジック、「素材を引き立たせる縁の下の食材」かもしれませんね。

これなんですよね。いつも必ずでてきます。
言い方変えると、いつもでてほしい♪
料理の一つ。
パリ三つ星のAlain Passard(アランパッサール)シェフのL'Arpège(アルページュ)の一品に敬意を表して。
●師へのオマージュ (温製)
半熟卵 4種の香辛料とメイプルシロップ
香辛料の中身聞いてみました。ナツメグ+クローブ+ジンジャー+白胡椒ということで、私的にこれは卵の黄身に「塩気」を含ませる役目を担っていると感じます。また、これは前回のブログでご紹介しましたが、中原シェフの特徴として「甘味なる旨味」をデザートだけでなく料理にもくわえると言うことが言えます。
「料理に優雅な甘味」
食材から自然発生した甘味はかけがえのないもの。という表現をおっしゃいました。つまりメイプルシロップやこれから出てくるトマトの抽出液もある意味「自然界の甘味」であります。砂糖などの強烈にインパクトのある甘さよりも遙かに一見辛味(塩気など)を要求される料理(デザートでは無く)に甘味というのをくわえるには「自然に出来た甘さ」がもっとも優位においしさにつながるという思想の特徴的な料理がこれです。
まあ、だから、いつも常連さんもほしいわけ、です。
スペシャリテというのはそういうもの。何回訪問時にだされても欲する料理をスペシャリテといいますから。ぜひ、この「師へのオマージュ」は皆さんに堪能してもらいたいですね。料理に甘味が最も合う瞬間♪

●シェフの、遊びコゴロ・・・その①
「雲丹と海老のジュレ」(冷製)
雲丹(若狭:みょうばん不使用)とキャビア(スターレット:ラトビア)
海老のうまみのジュレ アリッサム(飾りの花)
透明なアメリケーヌ、ビスクといってもいいでしょうね。風味、味は甲殻類のあのおいしさ。濃厚なジュレの塊となっていて迫ってきます。魚介類の恩恵というインパクトは冷製、このあたりでちょっとリズムがあると気がつきます。冷製と温製が交互に出てくるということ。どこまでそうなるか調べてみます。
●シェフの、遊びゴコロ・・・その②
「空豆と蛤のリゾット」(温製)
蛤(千葉県)
通常思い浮かべるリゾットとちがうのはこのお米にからんだ液体から檸檬の風味を感じます。酸味まではいかない強い風味。温度もアツアツよりちょっと手前の「すぐにすくえて食べられる」温度へ設定されています。赤から緑への彩りの映り方も見事ですね。食感も残すけれども口の中仁一旦入ると崩れはじめる火入れ。このあたりから中原シェフの真骨頂の「低温調理」の妙技があらわれはじめます。
●モネの睡蓮
「アスパラ オマール トマトのうまみスープ」(冷製)
オマール海老は最小限度(生に近い)の火入れ。
スダチの香り。
北海道のグリーンアスパラガス
トマトの旨味のスープ(後がけのサービス)
オクラのシャーベット
ポリチ(飾りの花)
絵画をイメージした作品と支配人。たしかにモネっぽい♪中原シェフの料理は基本、印象派だと思う瞬間が多いのですが、デザートはややシュールレアリズムな部分もあるかなあと。あの「鳥の巣サンド」が今日もでるのか。オードブル的な盛り付けですが、そのあと支配人が注いでくれるトマトのソース。オマールとアスパラはほとんど火入れしてないのではと思うぐらいの食感で歯ごたえを確実に残している作品ですが、ある意味素材重視の薄味。これだけでも美味しいところにトマトの「甘味」を含めた透明ソースが加わってすこし酸味がこの2つの食材を浸します。
ここなんですよね。液体、あるいみとろみのないので材料に絡まないのかな?と思いますが、じつは不思議に浸透しています。針で穴を沢山開けたのか?というぐらい。後注ぎのソースなのに材料と調和しているのが不思議。おそらく「相性」がぴったりなのかも。スプーンで食べることがもっとも有効な料理ですね。

●パン提供の方法
もうレーヌデプレでは定番になっていますね。明智風呂風といいましょうか。タイムリーな命名ですが勝手につけてます。高貴な木箱に熱い石が敷いてありその上に置かれたパンは長らく暖まります。箱の中ですから余計保温できますね。いつでも焼きたて風はシェフも望むところ。

一つ目は胡桃パン。

ふたつめはバゲット生地のパン。
共に脇を固めるタイプのパンですが、素朴でもあり、かみしめるとさらに生地の味を感じます。箱の中の残ったパンの量はみえないですが、支配人はパンを食べているゲストの量をみているため、大概パンが必要かどうか聞いてくると無くなった直後というのが頻繁にあります。よく見てくれてますね♪
●九絵(22日目)(温製)
「九絵 ホタテのバター風味のソース」
ケッパーパウダー
小玉葱(ロースト) シブレットの花 ディル
(ソース)緑のハーブオイル 魚のだし汁(スープドポワソン)とホタテ貝のバター風味
ホタテ貝のチップ載せ
いままでにちょっと無い展開。
そう、バター。現在のフランス料理ではあまり登場しなくなった油類です。大概はオリーブや植物性オイルがメインになりつつあって、さらにソースの仕上げでバターを使うのはもう時代遅れと言わんばかりみかけないのです。ところが私が1991年にフランスに修行していたときはバターモンテ(バターで風味とソースの濃度をつける)は当たり前で、ブールブランソースにおいてはほぼほぼバターが原材料というのもありましたから、この技術は本当に懐かしい。
オーセンティックに傾倒か♪
そう、在りし日の「フランス料理の王道」的な仕上げ方をあえてやってきたシェフ。それだけに新鮮な味というインパクトがあるのではないでしょうか。シェフに後で聞いたのですが、
「オーセンティックな調理技術や本来その時代にメインになっていた材料をあらためて考え直す時間も必要」その先にはおそらく未知の発見があるではという含みを持たせるようなコメントでした。往年のフランス料理に親しみのある年配の方でも十分楽しめるのが中原シェフの料理かもしれませんね。
九絵は熟成期間がながいだけにしっとり旨味が白身に反映されています。そして皮目は「パリッパリ」、超がついてもいいぐらいのパリパリ感でした。塩気が充満する皮目のうまさと魚介ソースの風味が混在し、ハーブソースが喉ごし良く体内に伝わる。ドウソース(2種類のソース)の効果は十分あります。

●鹿児島産黒毛和牛の低温ロースト (温製)
牛肉サーロイン
トマト ロースト
ラタトュイユをイメージしたトマトソース
タプナード(蕗の薹)
肉のうまみ+黒オリーブのパウダーを加えたソース
公式サイトの紹介文にも書いてありますが、「低温調理」という18番的なこのお店のテクニック。このお店を語るにこの言葉は必ず必要ということだし、どの料理にもその可能性を秘めていると言っても過言ではないです。直火でがっつり焼き色(キャドリエ)などというよりじっくりでの「うまみを抽出する」技法ですね。「火入れの達人」の傑作がこのメインででてきます。

サーロインの特徴をうまく引き出しているし、なにより温かいのに強烈に色が鮮明。脂身が耐えているという表現かもしれません。この完成された火入れの作品にタプナードをはじめ多様な薬味で楽しむということです。ラタトュイユとトマトのローストの共通点はトマト。ある意味このサーロインにはトマトが似合うのでしょうね。良く調和しています。

料理が終了。料理タイミングもみごと。サービスはたった1人。少人数サービスは不利なところが多いですが、ここは不具合もなく淡々と女性支配人が流れをつくっていきます。さりげなく時間がすすんでいきます。料理を優位に持ち上がらせる技術はお店を助けますね。

デザート
左から
①レーヌデプレ(当店オリジナルティー)
②ジャスミンティー
③赤いフルーツティー (ハイビスカス ローズヒップ ドライフルーツ)
④アッサム(セカンドフラッシュ)アールグレイ(セイロン オレンジペコー)
⑤フレーバーティ(苺とリュバーブ)
⑥ルイボスティー (檸檬の香り)
●エスプレッソ
●フレッシュミントティー
支配人はミニヤルディーズのときにお出しするということで、生チョコとご返事されました。アバンデセール(はじめのデザート)はメロン。メインは苺・・・・きいてみて「お任せ」でお願いしたら、甘い飲み物も合います、ということで⑤のフレーバーティーをおすすめしてもらいました。どれも魅力的なフレイバーですが、どちらかといえば「レーヌデプレ」屋号と同様のものがイチオシのような感じでした。そういえば1度飲んだことあります。この試験管(^^)ちなみに茶葉を嗅ぐことができますのでお試しを。

鳥の巣、にオブジェ♪
●メロン
メロンのシャーベット
クレープ生地を焼き固めたもの
巣の部分はたべられません(笑)この提供方法は過去にもありました。ここの「師へのオマージュ」と同様定番なのでしょうね。サンドする食材は変わっていると思います。メロンかぶりつき、その表現が適当。容赦ないフレイバーを楽しめます。

見た目以上に冷たい♪

●天使の苺
愛媛県レッドパール フレッシュ スライス
クレームアンジュ
アーモンド(クラッシュ)
甘いし酸味もちょうどいい。できるだけシンプルに提供しようとしていることがわかります。削りかんなの食感は秀逸。ハラハラと口の中でとけていきます。もう二皿ぐらいたべてしまいたい。。。そしてクレームアンジュが登場!オーセンティックヌーベル?!うれしい感はじけます♪

砂糖の入れ物。趣ありますね。

●ミニヤルディーズ
生チョコ
「生チョコ」とだけ説明♪それ以外のせつめいはいりません(^^)そのまんまの良質なカカオの産物。

ご馳走様でした。奥のお客様はもうすでにおられません。1人でたべているのに抜かれました。というのもシェフとちょっと話をさせてもらいましたが、ここ最近ちょっと注目されているのが「古典的料理への敬意」ということでしょうか。あの魚料理「九絵」はそのもの。バターを最後の仕上げにもっていく度胸はいまの軽めのフレンチにはなかなか手を出せないと思いました。ただ使うだけでなく「今風」にしっかり調整しているところが見事。
たべはじめて、「あ、バターか!」
ではなく、
食べ終わって、「あの風味はバター?」
という感覚。
しかも「ホタテ+バター」は港町でも、定番の食べ方。
それをフレンチの世界にもってくるということで、なじみのうすい若い人にもバターの美味しさをさりげなくおしえているのではないでしょうか。それと、「温」→「冷」→「温」→「冷」。。。と交互に温度差をつけた提供方法。支配人はとくに意識して作っていないと・・ただ知らない間にリズムになっていたのかなあと思いました。
まあしかし、このお店についてはお客様をご紹介しているし、定期的にも伺っていますが毎回何か不思議に発見があります。東京などにくらべて価格も安いし、でも内容は遜色ない、決して京都の野菜にこだわっているわけでもなく食材は世界をみているし、季節感がしっかりでています。そしてわずか2人のスタッフ、シェフと支配人だけできりもりしているわけなのだけど、最強ともいえる充実感を感じる。おそらく少人数の不利なところより、少人数だから有利なところを余すところなく見せつけられているように思います。そう、決して押しつけではないことも。これからのレーヌデプレはどうなる?なかなか答えがだせない状況には違いないですね♪ とにかく、とにかく、ご馳走様♪