ランチは12:00スタート

このお店を語るにはかなりの説明文がいります。
すこしかいつまんで御紹介いたします(^^)
2010年台湾からお電話をいただきました。以前山奥の料亭の送迎をご案内した方からお迎えのご依頼をいただきました。その年から2015年までは毎年1年に2度、日本滞在は長くおられるのですが、私のチャーターはその中の1日担当させていただきました。2016年から毎回3日間の貸切となり、そのうちの2日間が亀岡への送迎となりました。2日目が観光と亀岡お送りのみ、3日目が亀岡迎えの京都観光。そのホテルが、ここの店主鈴木吉寿さんが料理長をなさっている「京YUNOHANA RESORT 翠泉」なのでした。まさにお客様は鈴木さんの料理に魅了されておられ、ホテルを出発するときいつも手書きのメニューを渡してくださいました。
つまり、このお店はお客様がみつけられたお店なのです。
台湾のお客様、大変日本の食にご興味をもたれていて、いつも色々なお店をご紹介するのですが、もうすでにこのお客様だけでも、2010年から通算20回の貸切観光をさせてもらっています。
海外のお客様からも注目される店主が独立された。
ということですね。出会いの詳細長くなりましたが、実は私は鈴木さんの料理を食べるのははじめてでして、やはり独立されるのを狙っていたのかもしれません(笑)お店御紹介、はじまります♪

ちなみに駐車場は有料のみですが、若干数がすくないです。となりのアクアというプールがある施設には事務所があいていたら1日上限1500円でとまれます。ただ事務所が閉鎖されているときは置くことができませんので。。。馬町、あと一番手ごろなのはすこし遠いですが豊国神社がお得です。


マホガニー材のカウンター。おちつきます。
本日は6000円です!

若干自然採光はあるのですが、どちらかというと夜のお店の気分。

鈴木さん、ホテルのしつらえに大変傾倒♪この木目のような。。。実は陶板だそうです。温かさを表現したかったと手振りで♪


完全個室があります。ちょっと席の位置が不思議にみえますが、このあとベビーカーをもたれた乳児のゲストもあるそうで、基本昼夜お子様なら個室でOKだそうです。気兼ねなく利用できますね。カウンターはお子様NGということです。

店主からのご要望で(^^) お手洗いも統一感あっておすすめです♪

これ本当に木に見えます(^^)

この日は私一人と2人のお客様、実は前日あの台風21号でお隣は若干お1人電車の都合で1時間遅れ。それでも快くおまちの店主。さらに個室が4名でしょうか。台風あとにも関わらず盛況のお店。

まな板前に銀杏が(^^)

先付 くみ上げ湯葉
岡山 渡り蟹
鼈甲(べっこう)餡 (醤油)
店主曰く、台風後、そして秋すこしだけ感じて「ほっこり」してください。との意で。
やさしい味、それと鼈甲餡がちょうどよく、一瞬で食べきりました。

掬うと、すっと一塊になって喉をとおります。

鱧寿司
熊本 新銀杏 煎り
百合根裏ごし 自家製唐墨入れ込み そのあとフライ
丹波の黑枝豆
蕎麦揚げ
きす(塩水30分 風干し 天火焼き)

栗の台座。季節感たっぷり。
個々に特徴ある調理。そして温かさがしっかり残っています。

やわらかめの寿司飯、ちょうど鱧と同調する食感で一体感十分。
味はうすくも辛くもなく見事。

銀杏、いい味だしてます♪きすの淡白さをわずかな焼き色とつけた皮と百合根料理でしっかりカバーしています。

ステージ割烹と言わんばかり。
魅せる料理人でしょうね。ライトの調整をしているかどうか不明ですが、さほど大したデジカメでないので証明を調整されているかもしれませんね。エンターテイメントですよね♪

ちなみに料理長。京YUNOHANA RESORT 翠泉に2013年から2018年5月まで料理長としておられました。それ以前は 高雄、滋賀、京都で修行されていたそうです。以前のホテルにはカウンターがなかったそうですが、経験豊富なのとやはり度胸、自信の表れでしょうか、堂々とされてますしボケツッコミもあります。そうそう。。。奥様も手伝われていますが、人気料理店でサービスをされてましたからそのことも安定感もあり、店主をささえておられますね。あとお二人お弟子さんがおられて、共にホテルから一緒のメンバーだと聞いています。

玉子豆腐 げんぼく椎茸 柚子風味
礼文島の昆布 枕崎の本かれぶし
仲秋の名月風。
で、通常吸物でしたらやはり白身魚。。。。がない。このあたりから鈴木さんの個性がちょっとづつ加速していきます。「定番外し」なのでして。またのちのち(^^)
すっきりした昆布の風味です。
/////////////////////////////////////////////////////////////
ちなみに「本かれ節」について
生切 煮る いぶす(荒節) 整形 天日干し
↓
カビ漬け(枯れ節) 天日干し (これを3回以上繰り返す)本かれ節 (6か月)
さらに本かれ節は2年ものもあるそうです。
/////////////////////////////////////////////////////////////
この吸物、塩で頼ってないというのがわかりますし
まるで水のように飲んでも飲んでも喉がかわかない。。。
そういう印象の風味豊かな、かつシンプルな汁でした。

左はオーストラリア産南マグロ
右はぐじ (アマダイ)
ランチにして、ぐじがでてくるのがありがたい。

でも。。。。

単なる刺身形式ではございません(^^)

実は2切れあったのですが、撮影するまえに食べてしまいました(^^)
そうなんです。炙ってから刺身と重ねます。
「のして、くるっと巻いて いり酒(お酒と梅干のタレ)で~♪」と店主。
どのぐらい焼きます?
「もうOKです!!」
みたいな会話。

これ♪
これははじめて食べます。
肉質のちょうどいい厚さと松茸の香り。
食感+味+秋の風味、ですね。




マグロも同じ食べ方でこちらは本体のみでいただきます。
こういう組み合わせはなかなか考えられないかなあと。。。
そのあたりちょっとずつ鈴木さんイズム。
さてさて、まだ料理はでるのですが。
ここで、よく考えたらかなりのサプライズがある事件が起こります。
最初にいいますが。
二八蕎麦が出てきます。
二八蕎麦です。。。。。。

どこかのブログにもトリュフソースを使っていると書いてるのですが。。。
実は他の二八蕎麦と大きな違いが、決定的な違いがあります。
二割八分。。。昔は値段を表していたそうです。
と店主。昔は配合の割合ではなかったらしい。
その話はおいといて。
今回は今の現代の割合に話もどしますが。。。
この割合をよくごらんください。
蕎麦:つなぎ(小麦)=2:8
です。。。。
え?
つなぎが八割
なんと蕎麦が二割しかない。。。。

うどんといっても過言でないのです(^^)
しかし、不思議に蕎麦、しかもなんとなくビーフンにも似ている。
不思議な香りのする麺類なのです。
まあ、これは正直蕎麦好きなら「蕎麦ちゃう」といいますよ。
でもあえて鈴木さんは提案しているのが興味深い。
ここまでくると
恐ろしく「定番はずし」になるわけです。
割烹仕事としては面白い、対話がお客さんとに生まれますね。

かます 酒をかけて焼く フワ焼き♪
焼きさつま芋 すだち
チーズの燻製(ウイスキーの樽をチップにする)ホテル時代のスペシャリテ
★テイクアウトできます。
鮑茸 しめじ 菊のお浸し
お弟子さんが説明してくれました。完璧!お店ははじまったばかりで以前はある意味調理場オンリーですから緊張されたとは思いますが、しっかり対応していただきました。裏方で徹するもう一人の料理人もちゃんと終わるまでにご挨拶してくれました。店主の配慮もあるでしょうね。

盛り付け、そして焼目を入れるために包丁目も見事です。

焼き物だけでなく和え物も評価が高く、水っぽく分離していないし、塩気もばっちり。

造形美。緑と映えますね。

このチーズがものすごい薫香。
どちらかというと北欧系なのかな?
ベースは内緒だそうです。

ちなみにあのウイスキー燻製チーズは五個入り三〇〇〇円です。
専用ケースで。

まつたけをばっさばっさと裁く店主。
もうそろそろご飯かなあと思ったら。

ドでかいのが(^^)
賀茂ナス 鱧 松茸 壬生菜 七味をアクセント。

とどめ的な終盤の料理。
あの最初の方にでた汁物とベースは似ていますが
若干、こちらのほうが塩気はおさえてますね。
その分素材の個性がくっきりするように設定。
もうかなりいいお腹の具合(^^)
最後がさらに。。。

これは?
食べ放題。らしいのです。

細かいじゃこ山椒
黒酢入れた六時間炊いた豚角煮
沢庵+香の物
蛸やわ煮
おかわり自由♪

それと、鈴木さんは絶対「白ごはん」派です。
混ぜご飯、炊き込みご飯は
構想にないそうで、やはり「白」がいいと。
気持ちわかります。
これだけのおかずがあれば正直「白い画用紙」で
いいかと思いますよね。
混ぜるのもお客様、ですね。

まあ自分としては全部で。。。

この角煮がおかわり自由というのは男性にとっては恐ろしく魅力的です。
たまにある割烹、和食たべても腹八分目。
とっておきのときだからこそ、満足量で行きたいですね。

写真撮影大歓迎だそうです♪
このスポットもそのためなのか(笑)
ありがとうございます♪

バニラアイスに、注がれる抹茶ソースに珈琲をすこしたらします。


コーヒー+抹茶。はあいますね♪

お菓子も二段構え。
マスカットもついてきます。

以前お会いしたのが亀岡。そのときは一口も料理をいただいてませんが、まさに常連さんのコメントだけを信じて今回訪問しました。期待通りの味。台湾からわざわざ亀岡まで行かれる理由がわかりました。鈴木さんの料理は当然京料理なのですが、以前の職場にはホテルの目指す料理もあり、忠実にその施設のコンセプトを守っていた時期もあるでしょうね。そのほかにご自身として極めたい方向性もあったのでしょう。それが今「吹き出した」感じがしますし、これまでの職場へのレスペクトもあるからこそ充実したコース設定になっています。それと、蕎麦を代表とする「遊び心」と最後の惣菜食べ放題の「満腹感」は外せない料理長の基本のおもてなしなのかもしれませんね。どこか「まつりごと」の風情がある東山吉寿さん。いい店になること間違いないでしょうね♪
(追)この日は一人でいきましたが、お隣のお客様、楽しく会話させていただきありがとうございました。料理が引き寄せる、出会いにも感謝です(^^)
