シーホース (SEA HORSE)
0599-25-3121
三重県鳥羽市鳥羽1-23-1 鳥羽国際ホテル
定休日不定期年1回
[朝食] 7:00~10:00
[昼食] 11:30~14:00
[夕食] 17:30~20:30
http://www.tobahotel.co.jp/
いつもお世話になっている副社長様からご連絡があり、「ご自身へのご褒美」としての随行者としてご依頼を頂きました。もちろんそれはお客様のご要望通り。ご満足いただくため、日ごろの成果を「おいしさ」でもって表現して、マネージメントにおける緊張感をほぐしていただくことにありますね。さすれば、ご希望の場所、なつかしい場所へお連れするのもグルメタクシーの使命だと思っています。その時にお客様から要望されたのがこのホテル。かつて通われたことのあるこの場所は京都から遥か2時間半程度かかりますが、食事の同席も求めて頂きましたので、料理の解説等のご要望もあり、異例ですがご一緒させていただきました。その時の料理をご説明させていただきます。
鮑コース ~Vague~(12-1月) 16200円
amuse-bouche
サーモンマリネ タルタル風 マッシュルーム
冷たいものと温かいもの。どちらもメリハリあるアミューズですね。エスカルゴ風という感じの右の料理ですが、マッシュルームが非常にうまみを感じました。
entrees froides
ミル貝 タイラガイ 伊勢鮪 苺や蜜柑、苺のソース
どの具材もちょうどいい歯ごたえと爽快なフルーツのソース
なにより彩りが見事です。
パンは自家製。手前の塩のバターロールが風景とリンクしていましたね。まさに潮のイメージが感じられます。
soupes 野菜のエキスとめかぶのマリアージュ
このスープには驚かされました。家でも使うめかぶですが、まるで違うおいしさ。それは当然なことでしょうが、トマトの酸味と合わさり、とってもマイルドに風味がコントロールされています。この塩加減、なかなかないと思います。ここまでの3皿に気が付いたことは間違いなく、「塩気」はそれほど濃くなく、それを素材で補ってしかも「胡椒」の出番がないような味付け。自然派なのですが、うまみの押しが強くだから塩気がそれほどいらないのだと感じました。スープで感心することはそう多くはないですが、これはほんと、感動した逸品でした。
次に来るべきもの。これも注目に値しなければならないのです。
langouste 伊勢海老のニューバーグ風
アメリケーヌとおもいきや、オレンジとトマトの生クリームソースできました。アスパラの緑が映えてその下に朱色の見事な伊勢海老。この土地をアピールするうえでもっとも有名なアイテムです。ちょうど火が芯に通った直後の提供。そしてプリプリ感も豊富でソースとの相性も抜群です♪伊勢に来たとあらためて思った美味しさでした。
granitte
グラニテは蜜柑味。余韻ののこる味。そのオレンジではなくあくまで蜜柑といいきる和と洋の瞬間。まぎれもなく日本から発信する味でした。あらためてここでリセットして噂の鮑料理が登場するのです。
ormeau
アワビのステーキ 肝のソース
海藻ソースも選択できますが、あえて長年人気の肝のソースで戴くことにしました。極めて柔らかく、そして火入れの繊細さが感じられます。一切れ一切れ大切にきってしまってます(笑)この鮑そのものからくるシンプルな味とソースが実にマッチしていますね。付け合せも鮑を盛り立てる具材で表現されています。鮑のステーキは息が長く往年のファンからの要望も多いらしいです。
ソースコルベール。アンチョビ バター フォンドボーで構成。
desseerts
フォンダンショコラ
なかにはピスタチオのソースとグリオットチェリーをそえてあります。ピスタチオを揚げてありシャンティーの上にトッピング。香ばしいですね(^^)
料理はもちろんのこと、スタッフの優秀さも会話でわかります。岸壁にたてられた鳥羽国際ホテルの特異なスポットですし、その料理が風景とリンクしているようにかんじられるのです。
いわゆる しり上がり的。
料理がコースで運ばれて、メインに近づくにつれて盛り上がる理想的なおいしさ。これが最近のお店には感じられないことがあり、かつ量も理想的なので非常に満足しています。総じてバランスよく、問題点が見つからない安定感はさすがと思いましたね。伊勢に行くとき間違いなく立ち寄りたい場所です。
ご自身へのご褒美としてこのお店が該当なのはやはり「懐かしい場所」だということと「おいしい」そしていつもの風景「京都」を「伊勢」に、一瞬変化させることによってご満足いただくわけです。時には京都グルメじゃない領域も楽しいもの。そういった時間のおもてなしも、やはりチャーターとして必要ですね。一つの節目に今回の伊勢遠征がお客様にとって癒しのグルメになることでしょうね。