しゅん逢 紗々木
075-354-7177
京都府京都市下京区寺町仏光寺上ル中之町582
12:00~14:30 18:00~21:30
定休日不定休
http://r.gnavi.co.jp/kbhr300/
単なる「和懐石」と「肉料理」が楽しめるお店ではない。
「和懐石」を追求し続けている料理人が「肉料理」に惚れて、
一時期肉の世界に入り経験とセンスで融合させた
お店なのかもしれない。
いろいろな人から聞いた噂をまとめると
「桜田」出身 「京洛肉料理いっしん」も経歴にある。
どちらも、京都をとわず全国的にも有名な
お店です。何故にこの二つの大きな経験が
必要か。それは食べてみてはじめてわかりました。
お昼のお料理 5400円(税込)
★★ 梅ジュース
この日は非常に暑くしかも私は同席される方を
店の前で待っていたら急な通り雨。。。
もちろん熱気は頂点に達しまして、
開店時間にはなっていなかったのですが
左記にお店に入ることになりました。
女将さんがさっとでてきてくれまして、
招き入れていただきました。
ほどなく同席者がきて早速の一杯となりました。
冷たく爽快。汗が一挙にひきましたね♪
★★★ みすじ肉 冬瓜 イタヤ貝 イトウリ
とろっとしたミスジ肉、そして魚介類のイタヤ貝、そして冬瓜がミルフィーユのように重なり合っています。そしてイトウリのわずかな苦味が調和して、肉がメインなのにかなり優しい味です。このあとの料理の展開を考えるとこの淡い味がちょうどいいと思いました。ただやっぱり斬新なのですよね「牛肉」と「貝」ですから普通は合わせることはなかなか。そこを佐々木さんはあえて1つ目のお皿にされたのである意味、アピールなのかもしれませんね。
★★★ 鱧とブラウンマッシュルームのしんじょ たたきおくら
このお椀見覚えあるかたもおられると思います。師匠からいただかれたと聞きます。美しいですよね。とっても堂々としていて芸術的です。お肉はここではでてきませんでした。これは正統派の和懐石の領域。季節の鱧とブラウンマッシュルーム・・・・・・・うま味のある食材で煮込みや出しとりで使う「味協調型」アイテムなのですが、これでおそらく本来塩などで補う鱧の味をうま味で表現されたのでしょうね。またさらにおくらの粘りがしんじょにアクセントをもたらします。
ここで2つの典型的な料理がでました。「和+肉」 「和」 この二つの意味するものは決して「肉」「肉」と出し続けることはなく緩急つけてコース取りされているということです。もうすこし見てみましょう。
これはすごい。
和ごころ泉さんも同じ桜田出身ですが、この大皿盛りの流れはファンは期待されますね。魅せ方がとにかく彩りすばらしく、構図的にもすべてを見渡せます。これは2人分ですが、迫力を十分感じます。本来和の料理が並んでいる光景は見慣れている面もありますが、中央の肉料理などの赤の部分が華やかなのでやはり独創的な流れを感じます。
★★★ 盛り合せ
①いともずく 湯葉 酢の物
②カボチャの白和え サツマイモ
③ローストビーフ
④やまもものシロップ漬け
⑤笹巻寿司
⑥鯖寿司
⑦卵のムース(テールスープ仕込み)+湯引きみすじ肉
⑧お造り 鯛
こんな感じだったのですが、もしかして取りこぼしがあるのかもと。。。眺めてみてたらなかなか筆がすすまず。。。でもしかし、バリエーション豊富でうれしくなります。このなかで特に印象に残っているのが卵のムースですね。あの柔らかい卵生地にミスジはたまらないぐらいの逸品でした。とろける食感と肉のうまみ。「プチ上品すぎる他人丼」といいましょうか(笑)
それとローストビーフは完璧な仕上がりで肉専門店で出される良質なものとなんら変わりません。このピンクな色加減はやはり和から一旦離れて肉料理を学んだ成果だと思います。笹巻、鯖の両寿司ともまさしく日本料理とよぶべきもので京都の味も楽しめます。
華やか、華やか。
★★ アマゴ とうもろこしソース アスパラガスとトマト
素材重視。直球勝負のお料理だと思います。そして魚身をとりまくとうもろこしのほのかに甘いソースがけはほかの付け合せにもあいますね。私自身の感覚的にはフランス料理のグラニテ(食間にでるシャーベット)的な役割があると思います。盛り合せとこのあとのもっとも驚かされる肉料理のリセットをこのシンプルな料理で感覚を平行に保つ効果かなって。。。。店主はそうおもっておられるかは不明です(汗)だたそんな役割があるように思いましたね。(結果として)それでも十分旬を感じる料理には違いないです♪
こんかいの佐々木さんの山場はこのあとにあると感じました。
このふたをあけてからの感動。
ん?彩的には見慣れた懐石料理。。。かな。
★★★★ 4.0!! 牛ほほ肉 賀茂ナス 卸仕立て ケッパー(刻)
違う、違う。。。。。。
料理においていろいろ薬味がかかっていたり、大根おろしがあったり、霙仕立てになっていたり、様々な技法でもって「食べ合わせてください」ということになるのですが、これは是非一緒にたべなくてもいいので、肉、茄子、おろし、ケッパーを間髪入れずにたべてもらえたらなって思います。
おろしハンバーグというノリではなく、茄子とお肉は「麻婆茄子」っていう中華もあるとおり相性はいいのではないでしょうか。またここまで大根おろしが多いと一見水っぽいという感じにもなろうかと。。。ところが薬味のケッパーはそれをうまくアクセントでもってつなげてくれますね。
ハンバーガーにピクルス。これも今回の相性に関係しているのかもと思います。おろしでなんとなくさらにほほ肉が柔らかく、肉の臭みも完全除去ってところですね。
お肉をかみしめながら
実にうまい。
を連発しておりました私。
★★☆ 炊き込みご飯 すずき 新生姜 牛蒡
この炊き込みご飯の水分には魚のだし汁を使っているそうです。肉と野菜、そして魚。バランスよくでてきますよね。この流れはそうほかでもみつかりにくいです。一体感といいましょうか、すずきの風味が全体的に広がっている感じで香ばしくもあり、魚の風味もしっかり感じます。なによりごはんの状態がまったりしっとりで理想的ですね。
上品なおこげですね(^^)
至福の時です。
★★ マンゴーのババロア
ジュレがひいてあってミントのさわやかさ。ババロア美味しい。
ごちそうさまでした♪
みなさん、気が付かれたと思いますが器は桜田さんから譲り受けられたものも利用されていて、どれがそうかはなんとなくわかられると思います。それぐらい今回の器の良さも際立ちましたね。とにかく基本はやはり桜田さんだということをみせてもらいました。そのなかでいっしんさんの2年間の経験が混在して同居しているような感覚があります。
ご主人にお聞きすると「お肉も極めたい」という思いがおありで、半端なく勉強できるのがやはりお店に入って習得するということだとおっしゃってました。その甲斐あって非常にお肉を熟知された使い方をされているように思いました。野菜+肉+魚、どうしても和懐石はお肉の領域が狭く鳥類なら結構でますが、豚、牛などはやはりちょっと少な目な設定だと思います。
かといって佐々木さんの料理は「焼肉」という流れではなく、あくまでも懐石の中に染み込んだように入りきって「肉料理」をアピールしているように思います。
表むきだけでなく、「潜在的な肉の良さを引き出す」のだと。
それにはやはり和食を一旦はなれて肉の世界に飛び込まないといけなかったのでしょうね。料理人の経歴は店を移動すればつくということもなく、また反面ずっと同じ店にいても身につかないタイプの料理人もいます。その選択はやはりご自身を知ることでしょうね。その経歴がマッチしたとき開花して一つの料理人のコンセプトが出来上がる。佐々木さんはその成功例だと私は思います。
いい時期に修行をされて、いい時期に決断なさった。
そう料理を頂いていて思いました。伺ったときはカウンター席は私たちだけだったのでいろいろとお話しさせてもらったのですが、まだまだ通って教えて頂くことは多いと感じました。いや、とにかく美味しかったのです。
サービスは奥様がされていて非常に好感がもてました。時には旦那様をフォローされたり(笑)料理の準備をされている店主にかわって説明されたりと、料理そのものの作り方もしっかり熟知されていました。寺町といえは四条以南は電気街という印象が強くなんとなく不思議な場所にあるものだなって思いましたが、店主曰くこの場所のほうが気楽にさせてもらえるとおっしゃってました。ご夫婦の優しさもふくめ立地が決まったように思いましたね。まだまだ、まだまだ料理については追及されると思います。料理への目線は厳しく、そしてお客には優しく。その流れがしっかり伝わった昼ごはんでした。
さらなるご活躍を楽しみにしております♪