「江戸柿」と「代白柿」 このテーマについていろいろと過去に深く掘り下げる事態になり、実は奈良県農業水産振興課からご連絡を頂くことになりました。その抜粋ですがこれからご説明しますね。質問に受けて頂いた方はお名前も聞いておりますが、ここでは必要ないかと思いますので伏せさせて頂きます。
①渋抜きの方法
→柿の渋の成分は「タンニン」というポリフェノールで、これには水溶性(水に溶ける)のものと不溶性(水に溶けない)のものがあります。水溶性タンニンは舌に触れると強烈な渋を感じますが、不溶性タンニンは渋を感じることはありません。渋柿の渋は水溶性タンニンで、これを不溶性にする作業を「脱渋(だつじゅう)」と言います。
「脱渋」の方法はいろいろありますが、大きくは2つの方法です。1つは、一般の家庭などでよく行われる、渋柿のヘタに焼酎を浸して渋を抜く方法です。これはヘタから吸われたエチルアルコールが渋柿の果実内でアセトアルデヒドという物質に変化し、そのアセトアルデヒドが水溶性タンニンと結合して不溶性タンニンに変わることで渋みを感じなくさせるものです。もう一つは密閉できる室に柿を入れ炭酸ガスを充満させ渋を抜く方法です。これは果実を酸素の無い状態に置くと、果実内でアルコールが生成され、そのアルコールがアセトアルデヒドに変化し水溶性タンニンと結合するという、先のアルコール脱渋と同じ過程で渋みが感じなくなります。
②ガス室の成分
→通常、脱渋に使うガスは炭酸ガスだけなので、京都特有のガスというのはよく分かりません。渋柿の産地では①で説明したように密閉できる室を設置し炭酸ガスで脱渋しています。この方法は、アルコール脱渋に比べて、大量に安定して脱渋できる利点があります。奈良県では1つの室で60tの柿が一度に脱渋できる室を6基装備している産地もあります。
③渋抜きの加工場所
→②で説明した室は奈良県の主力品種である「刀根早生」、「平核無」という渋柿に利用しますが、江戸柿は脱渋せずに出荷されていると思います。奈良から京都へ出荷される江戸柿の大半は「置き熟柿(”おきずくし”というようですが)」といって果肉が柔らかくなるまで置いて、自然に渋が抜けたものを食べると聞いており
ます。(固い状態の江戸柿を買い求めて、籾殻に埋めておいて正月頃に柔らかくなり渋が抜けたものをスプーンなどですくって食べるらしいです。)
④渋柿と渋抜き柿の割合
→「刀根早生」、「平核無」はほぼ100%産地で渋抜きをして、店頭で買ってすぐ食べられる状態にして出荷されます。それらは産地毎に設けられた「選果場」という施設に持ち込まれ脱渋してから大きさ別に分けて箱詰めされて市場出荷されます。脱渋されずに出荷されるものはごく僅かで、100%近い割合で脱渋された柿が出荷されています。
⑤甲州百目(江戸柿)の流通量
生産量は宮城県、福島県、山梨県が多く、奈良県は僅かです。(奈良県の柿生産量は農林水産省の統計では約29,000tありますが、「江戸柿」は数十t程度の生産量しかありません。)
●最後に
奈良県農業水産振興課の皆様には大変お世話になりました。この記事では江戸柿のことはわかりました。ただまだ代白柿との兼ね合いは十分ではありません。市場では「江戸柿」という段ボールはみつかるものの「代白柿」という銘柄を記載された段ボールは全く見当たりません。つまりこの二つは個人の読み方次第で変化するようで、それには「渋抜き」がしっかりされていて「完熟」状態になっているのが最低条件だと感じます。
それに京都中央卸売市場を通した江戸柿を代白柿と呼んでいるという情報もきておりますが、なんとも不思議な話だとも思いますね。そのあたりはこれ以上深く掘り下げるとこはありませんが、何かもっとわかりやすい見解がありましたらいつでもご連絡頂ければと思います。
「秘すれば花」 そう私の尊敬すべき方が
おっしゃってますのでこの話はとりあえず
ここまで。
京都の不思議な話はまだまだありますね。
とりあげることも時には必要かと思います。
みなさんと共に京都の食を考えていきましょう!
京都グルメタクシー
2013/11/19
///////////////下記は これまでの見解です。ご参考に////////////////////////////////////////
2012/01/12 に更新されたものです↓
このタイトルの柿の名前をご存じない方もおられると思いますが、なにを隠そう私も知らなかったのです。先日UPした「徳寿」さんのところで柿のデザートを掲載したのですが、コメントから「代白柿」では?との問い合わせがありました。
まずは一般的に「代白柿」についてご説明いたします。
奈良で獲れる実の大きな渋柿で代表的なのが江戸柿(甲州百目)です。不完全渋柿というなんとも不思議なポジションであるのですが、このまま食べることができないので、これを渋を抜いて食べられる状態にするわけです。そこで一般的に渋柿は干したり、おき蒸しするのですが「代白柿」は主に室でガスを使って渋抜きされたものだそうです。そして京都で特に京都中央卸売市場で取引されているのが「代白柿」と呼ばれるそうです。(下記アドレス参照)
ちなみに徳寿でいただいたのはゼリーのように柔らかくまるで水菓子のよう。トロトロの果肉がまるで実に入れなおしたもののように触感がすばらしいです。普通に柿ではない♪それこそ私の表現は「よく熟れた柿」だったのです。
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/kaki-Kousyuhyakume.htm ◎ちなみに甲州百目は奈良であれば江戸柿、そのほかの地域では「蜂屋柿」「富士柿」とも言われています。上記のサイトでは「江戸柿」と「代白柿」が同等に書かれているので、江戸柿が代白柿になるということよりも呼び方がかわるということですね。ただ今や甲州百目という名前で市場でも呼ばれてないそうで、やはり江戸柿や代白柿で名前が通っているようです。だからある意味品種のようなものですね。
ちなみに「ガス」とはなんでしょうか。サイトによるとエチレンガスを使い室という部屋で低温貯蔵して、2~3日かけて渋みを抜くことが書いてありますが、このサイトだけのようです。食べごろは表面にしわがより柔らかくなったら食べごろだそうです。
◎エチレンガスとは?
下記のサイトには「成熟」を促進させるとかかれています。
http://www.admcom.co.jp/wanpaku/tips/tips033.html こちらにはリンゴを一緒にしているとリンゴから出るエチレンガスから渋みがとれるそうですね。
ただ窒素ガスという噂もありますが、これは調べても全く出てこないので多分エチレンが現段階では有力ですが、さらに調べてみたいと思います。あと炭酸ガスという説もあります。
http://item.rakuten.co.jp/tobaisa/daisiro1 ところがこのガスについてはほとんどのサイトでは「京都特有のガス」「京都独特のガス」と表現されています。さて京特有とは・・??実はそこが一番気になるところです。つまりもしかしてガスは企業秘密??それともエチレンなのでしょうか?ちなみに兄弟の富士柿は35度の焼酎で5日間渋を抜くアルコール脱渋法をとりいれているそうです。
まあ、室のことはこのぐらいにして。。。。
じゃあ「江戸柿(甲州百目)」=「代白柿」ではないの? これが今回もっとも驚いたことなのです(笑)
「代白柿」というブランド化された柿はもともとありません。また江戸柿のような品種でもないです。実は京都の食について詳しい方にお聞きする機会があったのでご披露いたします。
「江戸柿(甲州百目)」は品種名 「代白柿」は食べ方 「代白柿」は基本は奈良吉野でとれた江戸柿を、新聞紙で包んで渋を抜き、熟成させたもの。ただ江戸柿でなくてもほかの品種でも渋柿なら「代白柿」にすることができる。この「白柿」は干し柿の意味があるそうですから、単純に考えてしまうと「干し柿の代わりに・・・」なんとなく意味が通じてきますね。
つまり江戸柿は品種、代白柿は食べ方を意味する名前だったのです。ですからたとえば極端な話、代白柿なのに江戸柿でないものがあったり、反対に江戸柿なのに代白柿でないものもでてくるということです。この説は今までの疑問を解決に導く可能性がありますね。
〇代白柿と呼ばれる柿 どんな条件? これは今まで聞いた話を統合して書いてみました。全部そろわなければならないというわけでなく、この条件が複数重なれば「代白柿」と名乗ってもいいのではないかと思いました。もちろんこれもまだ模索段階ですのでほかにも特徴があればご連絡ください。
①柿の種類は「江戸柿」(甲州百目) 奈良県吉野でとれる。
②ガス室 室と呼ばれるところで熟成をする。
③渋柿を 一般的な柿とは違う 上質のゼリーを思わせるようなジューシーさに移行
④京都 および 京都中央卸売市場での取扱いのみ
この条件を含んだ柿が「代白柿」と確実に呼べるような気もします。この「代白柿」の定義には正解が見つけにくい状況があります。室を通過すれば代白柿?もし中央市場を通さなかったら?ゼリーまではいかないが結構熟しているから。。。などどの程度が普通の熟した柿なのが代白柿なのかという境がいまいちはっきりしないのですよね。今回の徳寿の熟れ柿はその課題を提起してくれた貴重な画像でもありますね。また結論はだせないままこの次の結論へ(笑)
一応の折り返し点として。。。。
徳寿の柿は何柿? 最終的にやはり店主に聞くべきかと思いご連絡いたしました。たしかにお店でだされたときはお客さんから代白柿?と問いかけれることもあるそうですが、あくまで江戸柿とご返事されているそうです。また当然ご説明されるときも江戸柿とご紹介されるそうです。
入荷当時は葉っぱに焼酎をしみこませて、「江戸柿」のマークをつけた箱でくるそうです。ただそれまでに室やガス室など過程を経て来たということはいままで聞いたことがないそうです。ただ中央市場で「江戸柿ください」といえば「代白ね?」って聞き返されることがあるそうで、人によっては同じものであるということを認識されている場合があったります。ただ店主曰く確かに「代白柿」と言えるものかもしれないが、絶対ということは言えない。だから江戸柿と説明しているとお聞きしました。つけくわえて「代白柿」とブログで紹介しても可能かお聞きしたらきっぱり、それは間違いですから。。。と。そして江戸柿と書いてくださいと(笑)
店主さんありがとうございました。
つまり徳寿の柿は、「江戸柿」だそうです。 この代白柿と江戸柿の関係は、少々業界での人それぞれによって若干見解がちがうのかもしれません。なによりも「よく熟れた柿」が一番おいしいということは確か。ってことですね(笑)「江戸柿」か「代白柿」かを区別するのは室を通すかどうかがネックのようですが、基本的にお店のご主人が最終的に正確に判断されることだと思います。情報集めてくださった方々感謝申し上げます。
またこのスレッドは修正の可能性があります。
決してこの記事が正しいということも断言できないので。
ご意見あればメールでも結構ですのでご連絡ください。
しかし、まだまだ勉強すべきことはたくさんありますね。
こんな流れの話がたくさんあると思います。
みなさんと共に考えていきましょう!
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2012/01/12 修正 条件 ガス室のくだりを修正
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