先日お店の前を通って、確実に閉店されるのをみて総評させていただきます。本当におしいお店が閉店。寺川さんの料理はここしばらく伺うことはなかったのですが、今までの料理人のなかでも特別印象に残っている感じがします。器や料理自体のこだわりようはすさまじく、食べに行ったのは三回ぐらいだったでしょうか、いつ伺っても大満足でした。お客様は10組ぐらいでしょうか。総じて素敵なコメントを頂いた記憶があります。
ご主人は料理中はほぼ無口。でも話かけたりお客さんが食材のコメントをされたとき、そっとアドバイスされます。そして料理に向かっている攻撃的な目線が一瞬やさしくなり笑顔で対応していただけます。ご自身でも「怖そうに思われる」と笑ってお応えなさった記憶も残ってますね。
実は私がよく利用させてもらった時期、ちょうど「そうだ!京都を食べに行こう」という麻生さんの本が出たころでした。今思えばとんでもなく硬派な本で実はいまさらですが、この本の立ち位置は尊敬に値します。確かに毒舌という表現もありますが、この本実はほとんど料理人の意向や原稿の確認をしていない(だと思う)本として貴重なものだと最近になって感じています。麻生さん自体は京都グルメのブログでもいまはかなり影響力があり、京都というより全国規模で活躍なさってます。その麻生さんのアマチュアからプロになられる過程の本だと言えると思います。いま読んでも強烈~~~っていう文章がいろいろ書いてますね。
さて、また本題にもどりますが、実はこの出版された後すぐに伺ったことがあって、この本の話題になりました。寺川さんはその緑の本をもってきてくださって、「この本送ってもらいました」とぽつり。ただずっと中身を眺めておられて一言。
「こわいですわ」(笑)
冗談混ざりなご返答だったように思います。内容としては、
「やはり自分の知らないところでいろいろ書かれることは抵抗がある。私のお店はまだましだが他のお店にはどぎついのがある。。。と。これからはそういう時代かな~~。」
そうおっしゃって中身をぱらぱらと。ちょうどカウンターの皆さんが食事を終られて寺川さんと口コミについておお盛り上がり♪それぞれ3組ぐらいでしょうか。特に知り合いでもないお客さん同士が、評判について話したりこれからのメディアの対応についていろいろ意見を言い合ってました。
もちろんアルシェはそのころすでに「口コミサイト」を立ち上げていて、いまも寺川さんのお店は三ツ星で、当時も三ッ星でした。そして帰り際に言われたことが一番印象に残っています。
「こうやって本が出たりしてお店のことを書かれるのはいいのだけど、あなたにもお願いしたいのは間違ったことをかかないでほしい。どんな評価でもよくても悪くても。。。贔屓したり、不公平になったりするならお店にとってそれこそ不都合です」
みたいなことをお話しされてました。私自身解釈したのが「正確な評価」。
「おいしいものはおいしいと言おう」
そのちょうど迷った時期に寺川さんに出会った感じがします。
寺川さんの料理人の目線。作品をお皿に盛られるとき、いろんな角度から料理をご覧になられます。しかも「にらむ」というぐらい確認されてから弟子にお皿をまかせられるのですが、そのあとお皿がお客さんの前に置かれるまでずっとにらんでおられます。なんとなく「崩れるか?崩れないか?」みたいな目線。
プロの意識をこれでもかと感じる瞬間です。またすこし遠目に個室があるのですが、そこに料理を運ぶときいつもストレスを感じておられました。ちょっと離れているから温度も。。。。そんな感じで弟子には「早くもっていって~」って小声で心配そうに話しておられて。。まあ堅苦しいといえばそうですが、結構お客側でもはりつめた雰囲気はありましたね。
ただその料理の合間におはなしされるときは和やかに。そのギャップが大変心地よく全身全霊で料理に取り組んでおられるって強烈に感じました。これからも私自身もありのままのお店の評価を続けていくつもりです。あらためて考え直す機会となりました。
今はもう料理長としてそのお姿を見ることはできないのですが、またいつかお会いできればと思っております。
ほんとうにおつかれさまでした。
下記は私が伺った2005年5月のコメントです。
ずっとこのコメントを掲載しておりました。ご参考に!
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「てら川」
東山区松原川端東へ南側
075-531-0208 Pなし
5000円 7000円 10000円
「意思を料理に100%伝えられる究極の料理人」
寺川料理長の噂はすでに炭屋時代から観光業界にも伝わっていて
私らのかつての同僚も「絶対満足させる」というオーラのようなものが
炭屋全体にただよっていた。その絶頂期の寺川さんがなんと独立・・・・
その事を聞いたのはすでに開店後しばらくたっていた。当然その話を
きいて身震いと同時に究極の目的が目の前に現れた!
店構えはさりげなく中に入れば清潔感たっぷりのまさに「人を和ませる
空間」を演出している。中庭に上品な石組みと向こうに見えるお座敷の
配置も光源を意識して自然光は最大限入るようにしてある。
さて、料理・・・・ため息が何度もでるほど素敵でした。
7000円お昼のコース
加茂茄子豆腐(うに きざみおくら いかえんぺら みょうが、こんぶ
ほたて、あわび)
造り (油目 大トロ 岩のり 焼き霜 鯛)
吸い物 (えんどう豆、しいたけ 木の芽 鰹出汁)
寿司 (しょうぶの葉 えび ごま・ゆず入り寿司飯)
焼き物 (ます 大根おろし 木の芽の佃煮 菜の花 ごまあえ)
八寸 (いいだこ ひらめ ふまき 鴨ロース そらまめ あなご ごぼう
えび姿あげ いかそうめん ふくさ焼き )
蓋物 (若竹 にしん)
油物 (小鮎 すだち酢)
ご飯 (焼きおにぎり わさび 芽葱 もみのり)
デザート(木の芽のシャーベット)
わかっただけでもこれだけの素材・・・とにかく一つ一つの量も多いので
男性でもものたりないと言う人はいないだろう。女性にとってはすこし
がんばらないといけないがそれは食べた後気づくというぐらいコースの
間中はわからなかった。それだけ個々のパートが新鮮で流れが極めて
いいのである。なかでも料理長の手さばきで作る寿司のしょうぶの葉の
作業は経験とセンスを要し、落ち着きは大きな自信の表れである。
料理長はかといって寡黙ではなくそのときカウンターは満席で静かに
食べているのは最初だけ。お客が興味をしめした料理の話題になると
的確にタイミングよくアドバイスをくれます。真に料理を楽しみに来る人
(管理人はどうかわかりませんが)がいるとやはり心通じるのかと思って
しまいます。お弟子さんとの絡みで面白い出来事があったりと終始
なごやかな雰囲気でした。
祇園でこの内容でこの安さは目立ちますがコストパフォーマンスがいい
とか軽い言葉でここを薦めてはならないお店なのです。どなたでもご主人
はあわせてくれると思いますがまさしく「心から料理を愛する人」だけに
お薦めします。寺川料理長の目はまさに厳しさと優しさを同時にもった
数少ない料理人だと思います。私がもし日本料理の料理人ならまちがい
なくここの料理を学びたいと思います。またここを修行の場として学んだ
弟子は恐らくまた大きな噂をもたらすことは言うまでもありません。
いつまでも いつまでも 素敵な料理作ってください。
2005/05/15
◎アルシェのリスト!公開中!!
http://www.zms.or.jp/~salut/archelist.html
京都グルメタクシー
http://www.zms.or.jp/~salut/kyotogourmet.html
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