グルメタクシーの流儀 7か条
昨今、大阪、東京、そして熊本で「グルメタクシー」という名を名乗られ運行されています。もちろん名乗るのは自由だと思いますし、「京都」を付け加えた「京都グルメタクシー」は商標登録しているので私しか使用できませんが、全国規模でその「グルメタクシー」がひとつの影響力をもって広まっている事実もあります。正直なところ嬉しさと不安を同時に感じます。
私が正式に旗揚げしたのが2010年。当時はまだ都タクシーグループの都大路タクシーで企業内の特別部署としてスタートいたしました。当時は当然「グルメタクシー」という名前すらなく、検索しても私のブログしかヒットしない状態でした。
ほどなく商標登録した時には当時、経費をかけるべきか非常に悩んだ面もありました。ところがその後テレビ、本、ドラマ、新聞等様々な応援を頂き、観光大使も頂きまして、今日に至りました。まだ不備な面や不得意分野が当然あります。下戸ですのでお酒と料理の関連は自らが判断できない面もありますが、そのあたり不備は仲間の話や業界の応援を借りて情報収集をしてなるべく不得意分野をなくす努力もしています。
ただ、しかし、グルメタクシーになる過程において決まりごとがあります。それを貫いてきたから今日があります。グルメタクシーと名乗る以上これをやらなければ単なる「くいしんぼうなタクシー」になります。もしこれからご当地のグルメタクシーをなさるなら、下記の流儀を参考にしていただけたらと思います。このルールを守って頂けなければグルメタクシーという名前に偽りが生じます。それは結局自らの首を絞めるだけでなく、当然私の京都グルメタクシーにも影響を与えることになります。
どうぞ、下記の事、切にお願いしたいと思っております。
①食べ歩きが好きな人だけがグルメタクシーになれる。
もっとも基礎の部分です。「グルメタクシー」の看板をかけていても運転手が食に興味がなかったり、料理にも関心がなかったら終わりです。あと「娘がつくったスイーツのリストを活用している」というグルメ系タクシーのコメントを聞いたことがあります。ありえないと思います。好きだから車の中も会話が弾むのです。不得意なジャンルもあると思いますが、それは仲間や情報収集でカバーできます。要は限りなく努力すれば不得意ジャンルも克服できます。
②運転手そのものがグルメタクシー。
会社が「グルメタクシー」となのるのではなく運転手が「グルメタクシー」と名乗るべきだと思います。つまり会社の部署ではなく、知識をもった乗務員だけがグルメタクシーを運行できるシステムを作るべきと思います。会社が主導すると某タクシー会社のように長続きせず、テレビにでても結局その乗務員は今は活動されていません。運転手の実名で活動することによって責任感も使命感も生まれます。ガチで表舞台にでてみましょう。
③運転手自らが食べ歩きのリストを作る。
当たり前のことですが、車内でも聞かれたらお店の料理の説明をします。そのとき「あの店はおいしいらしいです」という言葉はありえない。食べたこともないお店を紹介することは原則ないです。反対に会社が作ったリストやコースをまわることなどありえません。あくまで運転手が主役です。
④臨機応変、どんなニーズにも応えられるよう努力する。
「会社が決めたコースに載っているお店以外はわかりません」は論外。あらかじめコースが設定されていたとしましょう。それ以外に求められたらそのお店を即対応できるよう日々の食べ歩きでそなえます。運転手の好みではなくお客様の好みを感じることがすべてです。それにはエリアの情報収集が求められます。日々努力して貪欲に食べ歩きをするべきです。
⑤お店とは負の癒着をしない。
タイアップ、紹介したから割引、キックバック。ありえないです。提携でもそれはあくまでボランティア。相手に手数料を求めることはないです。紹介料をもらうとお客様のお金が余計なところに流れて結局、お客様の料理が価格以下の価値になってしまいます。主客一体。お店には負担をかけないのがグルメタクシーの流儀。
⑥日々の食べ歩きをブログで更新する。
グルメタクシーの運転手は日々の活動をブログで報告するべきです。それが検索にかかりアクセス数につながって予約配車が生まれます。その流れは私がやっていて実感しています。あくまで運転手が主張することによって親近感が生まれてお客様との距離が縮まります。日々の努力の成果はきっとファンを増やすこととなるでしょうし、情報発信はお店の利益にもつながり信頼関係も生まれます。
⑦メディアから依頼があれば喜んで引き受ける。
活動をしってもらういい機会でもありますし、取材でお世話になったお店の知識がより増えます。また信頼関係もできますね。なんといっても「京都の食」をアピールできますし、相乗効果で京都への人気も高まります。当然会社がメディアなどと相談するのではなく、運転手そのものが対応してレスポンス高く番組作りをサポートすればより制作会社ともつながりが大になります。
私も努力しているつもりですが、まだまだ進化できると思っています。「やりきった」と思ったときが終わりだと思います。日々頑張って「郷土の食」を盛り上げることができるなら本望です。「グルメタクシー」を名乗るなら上記の七か条で是非運行して頂けたらと思います。
よいしょグルメタクシー。無気力グルメタクシーは要りません。
お客様の食のニーズにこれからもしっかり対応したいと思っていますし、色々な街のグルメタクシーが活躍してくれること楽しみにしております!