★★★上賀茂秋山
TEL075-711-5136
住所京都府京都市北区上賀茂岡本町58
営業時間12:00~14:30 18:00~22:00
定休日水曜日・月末の木曜日
(予約は特殊です。詳しくはお店まで)
「すべてにおいて美しい!素材の旬を知り尽くした店主」
料理 ★★★★★(6つでも可笑しくない(笑))
サービス ★★★★★
空間・センス ★★★★★
総合的満足度 ★★★★★
◎5つ星が満点
この評価に移行して初の満点です!!
2006年にOPENしてからひっきりなしに噂が飛び交い。数年すれば「予約がとれない」と嘆くグルメな方々多し。そんなに凄いのか!そう思った日から今日まで流れてやっとその機会に恵まれました。
2001年10月11日 お昼のコース
(注)あまりにも説明に登場する素材や過程が多いため正確でない部分があります。
★★やまうど茶
訪問時に待合で提供されます。この空間がなかなか面白い。プロローグといいましょうか。空間に余裕がある証拠ですね。
★★★すりながし 南瓜 芋 ずいき ちょうじ(滋賀県産) 明石海老 祇園豆?
様々な食材が混在しているが野菜を重要視している店主の希望がこの料理に含まれています。とくにすりながし部分の素材の良さが光りました。
★★★土瓶蒸し はも 松茸 はたけしめじ 瀬戸内の天然塩 すだち
薫り高い塩がうすく効いていて特に松茸としめじの香りを大切にしている。シンプルだが透き通る出汁の透明感も仕事の丁寧さを物語る。
★★★刺身 鯵 さごし つばす 等
これも種類が多い。それでいて種類ごとに合わせたポーションと飾り付けの美しさ。店主とスタッフが一体となって組み合わせていく。これが一番盛り付けでインパクトがあった。量も多いが気がつけば一瞬で完食!
それとここで一番感じたのは「新鮮さ」はもちろんだが「潤い」を極めてきつく感じた。今まさに泳ぐような切り身。芸術的オブジェのような一品。ためいきがでる。
★★★さごしの炙り(おまけです)
刺身を頂いているとき店主から配って頂いたさごしの炙り。天然塩をすこし頂いて食す。贅沢な部位なのですよね。催促する目をしていた為もう一切れ頂きました(笑)
★★★たたき 青じそ 魚の身 みょうが(ご実家のもの) 味噌
店主が目の前で手の加減だけで加工。手の動きが滑らかで美しさすら感じるぐらい清潔感がある。食べてみて味がしっかり出来上がっている。経験とセンスを要する作業だけにばっちり決めてくるのも凄い。お客との会話中に何気なく出来あがっているのもかっこいい。
★★★ゆばむし あんかけ もちごめ むかご 鷹ヶ峰唐辛子
唐辛子は見た目より甘く美味しい。湯葉等も一つ一つ火どおりを計算して恐らく時間差で加えていくのだろう。どの野菜も的確な歯ごたえを感じる。京風のあんかけは澄み渡っていて塩もほんのり。濃度も温度も理想的です。
★★★鍋もの みょうが 味噌 豚(沖縄 パイナップルポーク) 茄子 しめじ
味噌鍋といいましょうか(笑)みょうがと豚が一番印象に残った感があります。ご飯と一緒にたべるのもよし。単体でたべても大丈夫なぐらい塩も控えめです。あたたまりすぎるといけないのである程度にきたらスタッフがお皿に移し変えてくれます。これだと何杯でもご飯いただけそうです♪
★★★ 香の物 ご飯 おこげご飯
おくどさんいいですね~。おこげも芸術的な感じに仕上がってます。お漬物ももちろん自家製だと思いますが野菜を美味く取り扱っていますね。ご飯が何杯あっても足りないぐらい美味しい。
★★★しののめかん(東雲羹)
あずきをメインにした羊羹風和菓子。見た目はしっかり角がきれているが実は食べ始めると口の中でとたんに崩れていく。秋のはじまりにふさわしい作品。
(総評)料理に関してはやはり店主の言われたことがすべてだったように思います。「野菜が語りかけてくる」、旬の野菜はもちろんそろえてあるが日々熟されてきたりするものもあればへたるものもある。それを的確に見極め、野菜が使ってほしいと語る時期があるとご説明されていた。つまり「旬の中の旬」ということかな。それはすべての料理の中に注ぎ込まれているし食べている経過も計算に入れているかのような繊細な作品もありました。
それと店主の包丁さばきや手さばき。これが「芸術的」なのであります。和えものをまとめたり、手でたたきをほかの具材と混ぜるときでも迷いがなくひねり出す。カウンターから見えるまな板や作業台が丸見えなのでそのあたりがしっかり見えてきます。清潔感しか感じないクールさを兼ね備えた職人気質。
「顔は笑っているが手は真剣」
これはどの料理のときも感じたことです。アルシェもカウンターでお客さんの前で料理を提供したことがありますがここまで美しさを出すことは絶対無理だし、過去に食べ歩いて秋山料理長以上に正確な動きをする人はいなかったと思いましたね。
また奥様のサポートも実は光るものがありました。最初にお茶をもってきて頂いたとき同伴の方が退席されていてお茶を普通なら置いていく女将は多いですが一旦引き上げさらに後ほどもってこられる。準備で忙しいにもかかわらず淡々と役目を果たされる。帰り際も一人一人とお話されて見送られる。素敵なことだと思いますね。こういったサポートが秋山料理長をさらに盛り上げる要素となるのでしょう。
しつらえですが旧家を改装したとは思えないぐらい澄み切った空気を感じます。祇園の中の料亭とは違って季節もよかったので外の空気も存分に入ってきます。時には釜の煙や植物の香りが通り過ぎていきます。
私の座った席ははじめてのお客だからど真ん中にしてもらったかもしれないですが画像をご覧のとおり奥の座敷まで見渡せる見事なポジションです。そして料理人なら誰でも気がつくと思いますが整然とした台所周り。冷蔵庫や機材の隙間のなさ。黒壁と昔の料理器具のポジション。何気なくみてしまうのですが実は店主のいい意味での几帳面な部分が垣間見れます。
「なにげないがさりげない」
トイレまでの道のりもなにげないがさりげなくすばらしい。行きと帰りでの植物の見せ方も演出されているのでしょうね。エントランスでやまうど茶を提供されたときも調和の極地が節々にありましたね。
スタッフも若くきびきびされてました。最小限しか会話しない体制があり長いカウンターだが調理場は狭いけれどスムーズにスタッフが動いている。どんくさいとか騒々しいという感じがまったくしない。また料理を出し終わると当然お客も素敵な緊張感からほこっりする時間がやってくる。余韻といいましょうか。私の席は中央より左よりに座っていたがそのエリアにおられたのが石田さん、和ませるため色々とお客さんを楽しませてくれます。秋山料理長は右手に行っていて話し込んでる時間はそれに応じて移動する。無意識でされているようにみえるが気の使い方は理想的。実はアルシェのサイトをご存知だったようで「グルタク」と(笑)少々噂にして頂いていたようだ。
総じてここまでアルシェが感動することは希でここまで文章を書いたのは中東以来のような気がしている。秋山さんの料理は誰が見ても注目に値する価値があるし京都を感じるだけでなく、野菜や土や水についても考えさせられる名料理人だと推薦できる。しかもまだかなりお若い。先恐ろしくて眠れない(笑)また伺うときがくることを切望するばかりである。 2011/10/11 お昼に訪問
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